2015.03.21

不思議なボタン穴と洋服屋の秘密『野の音』


三寒四温

3月も半ばになり、寒さも少しずつ和らいできました。
昼間は暖かい陽射しになってきてますが、
でもまだ朝晩は冷え込んでいますね。
こんなふうに寒さや暖かさを繰り返しながら、
ゆっくりと春の気配になってきているのを感じます。

3月後半には7歳離れた兄の誕生日があります。
今では同級生との体格の違いはないと思いますが、
小学校に入学した時には他の子に比べ随分小さかったと
昔母が言っていました。
4月生まれの子とは約一年違いますから、
子供の頃の一年の差は大きいですよね。
確か、ランドセルを背負ったらひっくり返ったとかいう話も
聞きました(笑)

兄との記憶を思い出してみようとすると、
あんまりないんですよね(笑)
異性で歳も離れてるからあんまり遊んだ記憶もないし。

そういえば、私が兄や姉と似てないって理由で
よく「お前は川で拾ってきたんだ」って言われてました。
もう、酷い話ですよね。
結構何回もしつこい位に言うんですよ。
それで私が母にすがりついて泣くというパターン(笑)

友達にはお兄さんがいていいな〜とか言われてたけど、
世間一般のお兄さんのイメージとはかなり違いますよ(;_;)

あっ、でも自転車に乗れるようになったのは
その厳しい兄の特訓のお陰でした。
それでみんなと同じように中学校へ自転車通学できたのです。

俺様で厳しい人ですが、その厳しさのおかげで
今の私が一人でもなんとか生きていられているように思います。
母親のような優しい姉と父親のような厳しくも優しい兄に
支えられている日々です。

兄と妹を描いた作品『野の音』は、兄がいなくなった妹を探して
ある一軒の洋服店にたどり着いたところから物語が動き出します。
時に幼い頃を思い出しながら、妹の手がかりを見つけようとするのですが…。


『野の音』

泰山木の木陰に建てられた小さな洋服店。
ある日、一人の若者が見習いになりたいと訪ねてきました。
実はこの若者は妹の行方を探してこの洋服店にたどり着いたのです。

この店での仕事は普通の洋服屋の仕事と変わりはありませんでしたが、
不思議なことにボタンの穴かがりだけはしないままでした。
ある夜、寝ていると天井からパラパラと不思議な音が…。

野原

洋服のボタン穴から聞こえる不思議な音は
もう無くなってしまった思い出の野原からの
哀しくも懐かしい贈りものでした。

※世界の果ての国へ (安房直子コレクション)に収録されています。




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2015.03.07

ゆきひら鍋がこしらえてくれた優しくて懐かしい味『ゆきひらの話』


風邪の思い出

今日は風が冷たい一日でした。
窓を開けて洗濯物を干そうとしたら、大きなくしゃみを二つ。
風邪かな…ちょっと心配。

最近は風邪をひかなくなったけど、
子供の頃は毎年のように風邪をひいて寝込んでいました。
その度に母がつきっきりで看病をしてくれて、
お粥を作ってくれたり、家族がアイスやプリンを買ってきてくれたり。
病気になるとなんだか言い知れない不安が襲ってきて
いつも以上に甘えたり優しくされたくなります。
そして、家族は言わなくても優しくしてくれるんですよね。
子供の頃は、知らず知らずのうちに守られていたんだなって
今更ながらに有り難く思い出します。




『ゆきひらの話』

小さくて古い一軒家におばあさんが一人で住んでいました。
おばあさんは長いこと熱がひかず、頭も痛くて寝込んでいました。
「こんなときに、だれかがいてくれたら…」
すると、台所の方でコトコト音がしました。
誰かきたのかしら?
それは、戸棚の奥に仕舞い忘れられていた懐かしいお鍋だったのです。


「ぼく、ゆきひらです。」
そう言っておばあさんの目の前に現れたお鍋は、
おばあさんが子供だった頃お母さんがいろんな料理を作るのに
好んで使っていたゆきひら鍋でした。
お粥や熱いスープよりも冷たいものが食べたいと言うおばあさんに
「りんごの甘煮をつくりましょう。冷たくしてご馳走しましょう」
と言ってくれるのです。

一人で病に耐えていたおばあさんに、
今は亡きお母さんがくれた優しくて素敵な魔法のように思えました。


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